こんにちは。Niko だ。

AI ChatBot から、Claude Code で TRPG を回すまで

2025 年はほとんど SillyTavern (Tavern AI) や Character AI といった AI ChatBot で遊んでいた。楽しかったが、一往一来のチャット形式は集中を切らせがちだった。

それより少し前、コロナ禍の前後から、『ビッグバン・セオリー』や『ストレンジャー・シングス』に出てくるようなオフラインの TRPG —— クトゥルフ神話 TRPG (CoC) とダンジョンズ&ドラゴンズ (D&D) —— の DM 兼シナリオ作者として活動を始めていた。TRPG の経験が教えてくれたのは、背後に厳密な冒険が待っていると信じられて初めて、プレイヤーは DM と自由に芝居を打てる ということだ。

TRPG はロールプレイングゲームの一種で、ゲームマスターが頭の中の遊べる世界を持ち、プレイヤーとの言葉のやり取りとサイコロの補助で行動と物語を進める。バルダーズ・ゲートのようなデジタル RPG の多くは、D&D と CoC の卓上ルールを直接受け継いでいる。

直感があった。Agent が今のコーディングシステム並みに賢くなれば、AI が DM の代わりをできるはずだ。GPT-4o のように察しがよく、Claude のように言葉が通じて、🦐 のように世界を覚えていられる存在として。

2026 年の初め、まとまった休みのうちにマルチエージェントのデモを組み始めた。2 月の WorldAgent 版から、3 月末のヒロイン付き CharacterAgent 版まで、3〜4 回イテレーションした。

仕事を辞めたくなるくらい、自分で遊び続けてしまった

作りながら自分で遊んでいた。最初の数週間で、自分のプレイ時間が 30 時間を超えた。

博士号を取り終えたばかりで、Detection 系のアルゴリズム会社で短く働いていた。だが毎日実験の進化速度を見続ける焦燥感が、「自分が止められないものに 100% を投じて、他の人にもその引力を感じてもらいたい」という気持ちに変わった。

エレナとのストーンフォードの物語は、3 つ目の町まで進んだ。3 度の大きな戦闘、山賊の伏兵、最終ボス級のダンジョンから走って逃げ、振り返らずに地図の一番遠くまで踏み込む冒険。エレナの出自はまだ分からない。ずっと北に向かう異世界の旅の北の果てに、何が待っているのかも分からない。

解くべき問題: 楽しい編成 × エージェントの編成速度 × 安いトークン

ゲーム自体は良かった。だが大きな 3 つの欠点があった。

  • 1 ターンが Claude Code (CC) では遅い。Claude の自由なエージェント編成は深く思考を続けるので、深さがそのまま遅延に直結する。

  • 周りの友達の多くは、テキストゲームを遊ぶためだけに ClaudeMax にそこまでの 💰 を出すつもりがない。

  • 純テキストの編成は視覚的フックが弱い (GPT-5.5 以後はこれが問題でなくなるかもしれない。だが今はまだ問題だ)。

そこから一気に張り直した。卒業 🎓 後、共同制作者とほぼ全時間を、この体系を安価な基盤に再現することへ投じた。当初 Claude Code でしか動かなかった体験を、DeepSeek と Qwen 上で再現することに成功した —— もっと速く、ずっと安く、ほぼ同じ安定性で。

どう解いているか —— 今までの感触

ここ数か月、まだ論文化する余裕はない。だが Harness エンジンに対して必要だと感じていることが、直感的にいくつかある。

  1. agent topology は agent の数より重要だ。「一つの agent に何十もの tools を持たせる編成」から「10 個の専門 Agent + 1 個の Router Agent」へ移ったとき、安定性 × 自由度 × 論理の厳密さに質的な飛躍が起きた。Router が大きいモデルでさえあれば、他は小さくても安定して動く。トポロジー最適化の余地はまだ大きいはずだ。

  2. オーケストレーターのプロンプト制御は地道な肉体労働だ。 私たちのシステムは CC のリークが出る前に形になっていて、プロンプトと harness の締め加減について共同制作者と激しく議論した。最後は自前のベンチマークを作って互いを納得させるしかなかった。タスクごとに、Claude Code と他のエージェント編成は細部で大きく違う。ゲームに合わせて チューニングする —— コンテキストを読む回数を減らし、状態をたくさん永続化し、編成をカスタムする —— それだけで速度と安定性の体験は全く別物になる。

  3. 高自由度のテキスト AI ゲームは非常に面白くなる、と確信している。 ただ今のゲーム技術で 3D / 2D を直接やろうとすると、埋めるべき Gap がまだ多い。GPT-5.5 のゲーム UI 画像 + アニメは衝撃的だが、自己応答する UI はまだ普及していない。2D / 3D は脳内の情報密度に追いつくためにより高い品質を要求する。テキストは表現形式としては低次元だが、情報密度では高次元だ。すでに原神を一度はプレイした世代にとって、想像する冒険密度と生成された 3D 品質の間の溝はとても深い。逆に言えば、その Gap が埋まったとき、World Model が生成する プレイヤーごとに異なる冒険 は新しいパラダイムになる。

  4. マルチエージェントの遊び方は驚くほど多様だ。 実験を増やすほど、共有したい具体的なプレイスタイルが積み上がる。多くは専用のエージェント編成があって初めて実現する。垂直化された Harness 編成は、他のビジネスやエンタメ領域でも需要が出てくる予感がある (別の見解があればぜひ話したい)。

現状と Future Work

4 月中旬時点で、2 月に作った WorldAgent 版を再現したところだ。

5 月中に、マルチエージェント・自律思考型のヒロイン版 —— 媚びず、塩でもなく、甘さもツンデレも備えた複数主役版 —— を Claude Code から安価な基盤エンジンへ移植しきりたい。

Claude Code 版か現在のエージェント版を早めに体験してみたい人は、ぜひ見てほしい。5 月と 6 月の進捗もこの記事で続けて更新する予定だ。

エンジンと CC 版の枠組みは git で公開している。

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